漢字なんか書けなかった。
漢字の練習なんかしたこともなかった。
計算だって。
勉強する意味も理由も わからなかった。
「勉強しても、イイことなんかない」と思っていた。
だって、勉強しても、誰にもほめてもらったことなんかなかったから。
Nから茶理庵に転塾するまで、
塾は学童みたいなもの、遊んでいればいいと思っていた。
遊んでいても、誰からも何も言われたこともなかった。
でも、ここ(茶理庵)では違った。
ここに来たら、そんな余裕はなかった。
でも、かと言ってイヤなことだらけだったわけではない。
先生たちとの毎日の会話が、すごく楽しかった。
とくに、チャーリーなんか、本当のおじいちゃんみたいで、すごくかわいがってくれた。
5年生になってから、漢字の小テストの点数が少しずつ上がってきた。
これは、テツジンのおかげだ。
(もちろん、チャーリーも関係しているけれど)
毎日、授業を受けた後、チェックしてもらっていた。
「家で勉強できない子」だったから、授業がない日も教室で勉強するようになった。
そうこうしているうちに6年生になって、漢字テストも合格するようになり、
テツジンの漢字チェックはなくなった。
でも、もうほとんど、落ちることはなくなっていた。
たくさん怒られもした。
三者面談もしたし、授業を受けさせてもらえずに自習したこともあった。
がんばって褒められようともした(ほめてもらえなかったけれど)。
でもそれは、ほめられると安心してしまってやらなくなる自分だから、しかたのないこと。
夏休みが終わり、2学期になって、冬休みも終わって、ついに残り1日になった。
塾で、「当日の流れ」の説明を聞いていたので、
そのおかげでバタバタすることなく、当日の朝を迎えられたと思う。
受験が終わって、今思うことがある。
これからの私は、自ら勉強に取り組みたい。
中学生になったら、学年の上位4分の1以内の成績を目指している。